甲状腺機能低下症の症状や原因、治療法について

甲状腺ホルモンの機能が弱まる病気で発症する病気です。

のどにある甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンは、代謝を上げる働きを持っています。この機能が強くなりすぎると「甲状腺機能亢進症」で、弱くなりすぎると「甲状腺機能低下症」が発症します。甲状腺ホルモンの異常では圧倒的に、低下症の発症が多いことが特徴です。高齢犬、中型犬や大型犬によく見られる疾患です。代謝に関わっている病気なので、身体への影響が大きく、皮膚状態の変化、元気がなくなる、肥満傾向になるなどの全身症状が現れます。しかし症状のうち加齢に伴う体調不良なのか病気によるものなのかの判断がつきにくいこともあるため、病気に気づくのが遅くなってしまうこともあります。この病気は生まれつきの確率はまれで、発症のほとんどが後発性です。好発年齢は4歳から10歳と幅広く、特に7歳以降のシニア犬に発症しやすい病気です。全身症状は加齢によるものとも考えられるため、病気なのか加齢によるのかをきちんと調べてもらうことが大切です。

【症状】

幅広い全身症状が。好発犬種であればシニア前に一度受診を

甲状腺ホルモンは身体を上手く動かすためのホルモンです。甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの分泌量が低下してしまうため、全身症状が出てしまうのです。元気がなくなる、食事量は変わらないのに肥満傾向になる、ぼーっとしているなどの身体症状や、皮膚が黒くなる、抜け毛が多くなるといった皮膚の異常も見られます。特に痒がっていないの抜け毛があるときは注意が必要です。シニア犬だと年齢を重ねるにつれ、ぼーっとすることや元気がなくなることは見受けられます。そのため、加齢による体調不良や年齢ゆえの行動とも判断しやすいため病気が発症していることに気づかないケースもあります。すぐに命の危険があるという病気ではありませんが、重症すると昏睡状態、意識障害という症状が出ることもありますし、犬にとっては身体的負担がとても大きくなってしまいます。シニア犬になったら、日頃から体調管理とともに一度受診することで早期発見に努めることができます。
【原因】

免疫介在性甲状腺炎や甲状腺萎縮、他疾患からの併発も。

この病気の主な発症原因は、免疫介在性のリンパ球性甲状腺炎と特発性甲状腺萎縮が関係していることがわかっていますが、すべての原因がわかっているわけけではありません。免疫介在性甲状腺炎とは、本来であれば体内に侵入した異物を排除する役割の免疫系が自分の体の一部である甲状腺を攻撃して炎症が起きることで、甲状腺機能が低下することがあります。甲状腺の萎縮は、何らかの原因で甲状腺が萎縮してしまうことでホルモンの作用が低下することがあります。これら二つが甲状腺機能低下症の主な原因です。また、クッシング症候群などの他の病気の併発として発症することがあります。
【薬・治療】

生涯通じてのホルモン製剤の投与。併発元の疾患の治療も行う

まずは体内で不足している甲状腺ホルモンを補填することが一番の治療です。人工の甲状腺ホルモン製剤を投与していきます。投薬後1〜2週間ほどで表情や活動面での症状が改善していきます。1〜4ヶ月程で皮膚症状が緩やかに消失していきます。甲状腺ホルモンの分泌量低下すると、元に戻ることはないため、投薬どのホルモン剤の補填は生涯を通じて行われます。また、薬が多すぎると低下症とは逆の、甲状腺機能亢進症になってしまうので、投薬量のチェックが欠かせません。受診の間隔を守ることや日々の様子観察を怠らないようにすることが必要です。他疾患の併発での発症の場合は、併発元の疾患も治療していきます。
【予防策】

早期発見と早期治療が一番の予防。悪化させないための投薬管理を

甲状腺機能低下症には予防法がありません。早期発見と早期治療により症状の緩和とホルモンのバランスの調整が重要です。加齢とともに発症するリスクが上がるため、大型犬でシニア犬の年齢になってきたら毎日の様子をこまめチェックするようにしましょう。皮膚症状はめにつきやすく、変化にも気づきやすいかもしれません。毛替わりの時期であれば普段よりも抜け毛が多くなりますが、毛替わりの時期以外の多量の抜け毛yq皮膚の色の変化が見られた時には、病院受診をしてみましょう。

「甲状腺機能低下症」になりやすい犬種

  • アイリッシュセッター
  • ゴールデン・レトリバー
  • ラブラドール・レトリバー
  • ボクサー
  • プードル