肝臓がんの症状や原因、治療法について

犬の肝臓がんはサイレントキラーと呼ばれています。気付きにくく、一瞬で命を奪うほどの大きな病気です。

肝臓がんには、原発性肝臓がんと転移性肝臓がんの二つの種類があります。原発性は肝臓から発生する癌です。

体の他の部位に転移することはまれで、代わりに肝組織に浸潤していきます。転移性肝臓がんよりも一般的ではありませんが、10歳以上の老犬そして雄犬の方が発症しやすいようです。
まれではありますが、犬の原発性肝臓がんは体の他の部位に転移する可能性があります。

転移性肝臓がんは、他の部位から肝臓に転移したがんで、非常に頻発する病気です。肝臓は体内で最も大きな臓器で、多数の身体機能やプロセスに関与している臓器です。
体内で循環している多くの有害物質の解毒や薬の代謝なども肝臓が行っています。

大きな負担がかかるため病気もしやすくなるのです。代謝が行われているということはその分血流もあるということになります。つまり、転移性がん細胞血流に乗って肝臓に入り込みやすいのです。そのため頻発する病気と言われています。

【症状】

嘔吐や食欲不振、お腹が膨れるなど様々な症状が全身に現れる

原発性肝臓がんの初期は、目立った症状が見られません。悪化していくと、吐く、食欲がない、元気がないなどの症状が見られ、さらに病気が悪化していくとお腹が膨れる、下痢、やせるなどの症状が見られます。

初期の段階では表に見える症状はなく、最初の症状は他の病気でも多く見られる症状なため、一見するとさほど大きな病気でないと見受けられます。飼い主が異変を感じた時には、すでに手遅れになるケースも多くあり、飼い主が気づかないうちに病気がどんどん進行していきます。症状が表に出てくることが遅いため「サイレントキラー」と呼ばれているのです。
転移性がんの場合は、肝臓にがんができる前に他の部位でがんが発症しているため、がんに転移する前の腫瘍の種類によって症状が異なります。

他の部位にがんがある場合には、肝臓に転移した際に新たな症状が出る訳ではないため肝臓への転移に気づかないこともあります。どちらのタイプでも、症状が表に出てくる遅さ故に発見が遅くなり、気づいた時にはかなり進行している状態ということ多い病気です。

【原因】

原発性は原因不明、転移性は他の部位からの転移が原因

原発性肝臓がん原因は不明です。肝臓自体から発するがんですが、発生する明確な原因はわかっていません。
一つの可能性として、発がん性化学物質の影響があります。

家庭用洗剤や農薬に含まれている毒素などが発がん性化学物質としてありますが、それらが蓄積されていくと発がんの一因となりえます。また、ペットフードの人工着色料や香料、食品添加物などに含まれている化学物質も発がん要因なることがあります。

転移性肝臓がんは、他の部位から転移が原因です。悪性リンパ腫や血管肉腫などの転移、肝臓に隣接する臓器の悪性腫瘍が肝臓に浸潤することで発症します。

【薬・治療】

原発性肝臓がんで少数の肝細胞でのがん発症であれば手術は可能

原発性肝臓がんで腫瘍が肝小葉、つまり肝臓を構成している一定の肝細胞の集まりに1つか2つの少数に限って出来た場合であれば、完全に除去する手術が可能です。
手術で腫瘍を完全に除去できれば予後は比較的良好で、元気な状態にまで回復します。

しかし、転移性肝臓がんの場合や原発性肝臓がんで複数の肝小葉にがんが発生している場合には、手術するのは困難で予後も良くはありません。
手術できる状態かどうかということが予後を分けるポイントであり、手術で完全に切除できた場合には術後1〜2年生きることも可能です。

【予防策】

毎日の健康管理と定期検診による早期発見と早期治療で予防

原発性と転移性のどちらの肝臓がんも、効果的な予防法はありません。肝臓がんの特徴として、症状が他の病気に似ているという点があります。そのため気付きにくい病気です。

知らぬ間にがんが発症し、どんどん進行しているケースも多くあります。家庭でできる一番の予防は早期発見です。毎日の健康管理をしっかりと行い、体調不良があればすぐ動物病院への受診を習慣づけるようにすることで、早期発見につながります。転移性肝臓がんは、他の部位からの転移ですがその一番最初のがんができたときには、何らかの体調不良が生じます。すぐに治療を行うことで肝臓への転移を防ぐことができます。

「肝臓がん」になりやすい犬種

  • 7歳以上のシニア、特に10歳以上の老犬
  • 雄犬