胃拡張・胃捻転症候群の症状や原因、治療法について

胃拡張・胃捻転症候群は、胃がガスや食べ物で膨れ上がってしまう胃拡張が起こり、捻れができてしまう病気です。

胃拡張が酷くなると全身に悪影響を与えます。食後数時間後に現れる事が多く突然発症します。発症すると急速に進行し、致死率も高いため一刻を争う病気です。

好発犬種は大型犬で年齢層はシニアでの発症ですが、小型犬や中型犬、若年層でも発症する事があります。5~6歳ころから注意し始めると良いでしょう。大型犬に好発する理由は、胃が深いため胃を支える靭帯が伸びて張りがなくなってしまうからです。靭帯の張りがなくなると、胃がお腹の真ん中下方まで移動してくるため、食事が溜まりやすくガスが発酵しやすくなってしまいます。結果として胃拡張・胃捻転を起こしてしまうのです。

起こりやすい時間帯としては、夜中から明け方が多いようで、この時間帯では処置ができる病院が少ないということも致死率に関係しているようです。
処置の緊急性が高く、一刻を争う病気でなおかつ処置には多くの人手が必要です。スタッフ総動員で処置に当たらなければいけない病気なので、夜間や早朝に診てくれる動物病院があるかということを日ごろから調べておくこと必要です。

【症状】

水を飲む量が増える、よだれが多く出る、お腹の膨らみが起こる

胃拡張・胃捻転症候群を発症すると、吐こうとしているのに何も吐けず、よだれが多く出る・水を飲む量が増える・息が荒くなる・お腹が膨れてくるといった症状が見られます。

この病気は発症からの進行が急激に早くどんどん進行します。そのため、少しでも発見が遅れたり処置が遅れると手遅れになるケースが多い病気です。
症状は食後数時間で現れ始めます。おおよその時間は食後2~6時間とされています。初期症状としては、落ち着きがなくなり、吐こうとして「えづく」ことが 増えてきます。しかし何も吐き出せずに、よだれが多く出るようになります。水の飲む量が増え、お腹の膨らみも出てきます。
この膨らみは胃内の食べ物やガスの貯留によるものです。多臓器を圧迫するため息も荒くなっていきます。これらの症状で胃拡張が起こっています。

中期症状としては、胃がガスで限界まで拡張する・胃種変の臓器や大動脈の圧迫などで胃捻転を併発します。これにより各組織の壊死や重度の低血圧を引き起こします。後期症状としては、ショック状態に陥ります。
この段階ですでに多臓器不全に待っていることが多く、短時間で死に至ってしまいます。

【原因】

食事や水の摂取量や食後すぐの運動が関係している可能性

この病気の明確な原因は不明ですが、食後数時間での発症ということから食事の仕方や摂取量、食後の運動などが原因と考えられています。

食事の際の早食い、一気食い、大量食い、水の一気飲みが要因の一つとしてあげられます。また、食後すぐの運動も要因とされています。
特に大型犬は食べる量や水を飲む量も多く、体格的にも発症しやすいため注意が必要です。
そのほかの原因としてはストレスやゲップがうまくできないことも挙げられます。

【薬・治療】

胃内のガス抜きと手術を早急に。一刻を争うため緊急手術を

まず拡張した胃からガスを抜き、血圧を安定させる必要があります。胃にチューブを挿入しガスを抜きます。

同時進行で血管を確保し抗生剤の投与や輸液などで合併症となるショック症状や感染に対する治療を行います。そして早急な外科手術を行い捻転を解消する必要があります。
手術により、捻転した胃の整復と固定を行います。同時進行で処置を進める必要があり、スタッフの人数も多く必要になります。
合併症も多いため、早急な処置と手術が必要です。

【予防策】

食事と水の摂取量の管理を行い食後の安静を徹底すること

この病気の予防には、食事量と水の量の管理が大きいといえます。
まず1回の食事量を減らし、回数を増やすことで胃への負担を少なくします。水を飲むときには、一気にたくさんを飲まないように見ていてあげると良いでしょう。

常に新鮮な水を用意しておくことも大切です。また、食後や水を飲んだ後には安静・休息をとるようにします。食後は最低でも2~3時間は安静にするようにしましょう。
普段の食事がドライフードのみであれば、ドライフードを少しふやかしてあげると胃への負担が少なくなります。
水分を含んでいるため、水の一気飲みも防ぐことができます。

「胃拡張・胃捻転症候群」になりやすい犬種

  • コリー
  • ボルゾイ
  • シャパード
  • セント・バーナード
  • ドーベルマン